東大院情報理工 院試 数学対策(他大生向け)
情報理工学系研究科の院試の数学対策について書いていきます
1.概要
線形代数、解析(微積と微分方程式)、確率の3題が出題されて、全部解きます。
試験の難易度としては、かなり難しいと思います。
よく院試は過去問さえできれば大体大丈夫、と言いますが、最近流れを崩すような問題が出てきている気がします。(特に2問目の解析)
過去問に全然無かったような問題が来る可能性も無くはないので、しっかり万遍なく対策しましょう。(明らかに工学系の数学じゃない範囲や、理論寄りの超難しい部分は多分やらなくて大丈夫です。多分…)
2.対策
対策の流れとしては、マセマで基礎固め→過去問演習→黄色本(演習 大学院入試問題)→足りない知識の補強→過去問演習、という流れで勉強しました。
基礎固めとしてマセマ(線形代数、微分積分、常微分方程式、統計学)を軸に使いましたが、なんでも大丈夫だと思います。学部の授業の参考書があるなら、それでいいと思います。
マセマの統計学は確率の範囲しかやってません。常微分方程式も演算子以降はやってません。
基礎固めの段階では、ちゃんと式の流れや、理屈や、他の式との関係などを抑えるのが一番大事です。公式の丸暗記はなるべくしないようにしましょう。
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基礎固めとして「工学部で学ぶ数学」を軸にするのもおすすめです。この本に書いてある内容全部理解できれば、かなり強いと思います。他のブログのレビューで分かりやすいと言われてることが結構ありますが、僕はそんなに分かりやすいとは思いませんでした。結構難しかったです。
あと、この本には確率の話が一切無いので、そこは他の本を買いましょう。
次に過去問演習をやりましたが、マセマだけだとかなりきつかったです。もがき苦しみながら、1題に3,4時間くらいかけて解いてました。この段階で、「マセマだけじゃ無理だ」と思う可能性があります。そう思ったら無理せずマセマよりレベルの高そうな本を買いましょう。
過去問は公式サイトに置いてあります。
過去問アーカイブ | 入学・進学案内 | 東京大学 大学院 情報理工学系研究科
過去問を解いたら、次に黄色本の例題を解きました。これまたかなりしんどかったです。解答が意味不明です。ですが、大学院入試で出題されている問題なので、マセマの知識で大体解けます。(解けないものもいっぱいあります)
解いた範囲ですが、全部はやってません。以下が解いた範囲です。
- 線形代数…例題1.1~1.27
- 微分・積分学…例題2.1~2.12(偏微分、重積分以外)
- 微分方程式…例題3.1~3.14(偏微分方程式以外)
- 複素関数論…複素積分使う問題だけ
- 確率…6.1~6.20
解答が意味不明なので、解答に頼ることができません。自力で悩む力を身に付けましょう。
あと、別の大学院入試数学問題集として「詳解と演習大学院入試問題」も良いらしいです。僕も買ったのですが、微積が理論寄りで難しくてイライラしたので使いませんでした。
次に足りない知識の補強ですが、5月に去年の過去問が公開されてフーリエ解析と複素積分の問題が載っているのを見て、急いで勉強しました。(それまでフーリエ解析と複素関数は出ないと思ってた)
フーリエ解析は「やさしく学べる ラプラス変換・フーリエ解析」をやりました。とても分かりやすくフーリエ解析の考え方を学べると思います。ですが、「工学部で学ぶ数学」の方が断然詳しいので、得意な人は「工学部で学ぶ数学」だけでいいと思います。
複素解析は授業で使っていたものを使いました。これも得意な人は「工学部で学ぶ数学」だけでも良いと思います。この本は留数定理までしかやってません。
以上の本達で力を付けて再び過去問を解きました。
過去問が大体終了してからは黄色本や「工学部で学ぶ数学」の中の不安な部分を勉強しました。
3.まとめ
外部生は解答を友達と共有したりなかなかできないと思いますが、解答が無いからこそ、すぐ解答に頼らず、自力で答えを導く力が身につくと思います。
また、YouTubeで「予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」」(通称ヨビノリ)というチャンネルが数学を分かりやすく解説してくれているのでおすすめです。