東大院情報理工システム情報学 院試 専門科目対策(他大生向け)
1.概要
専門科目は信号処理、電子回路、制御工学、コンピュータシステム、力学の5題中2題を選択して解きます。去年まで3題選択だったので、来年もまた2題選択になるかは分かりません。
目安としては6割くらい解ければ大丈夫らしいですが、年ごとに結構難易度のバラつきがあるので、あんまあてにしない方が良いと思います。
2.対策
2-1.信号処理
信号処理は毎年超難しいという噂があったのでほとんど勉強してませんでした。
よく「やる夫で学ぶディジタル信号処理」が分かりやすいと言われています。
2-2.電子回路
電子回路は、オペアンプの発信回路ばっか出ます。トランジスタはほとんど出てきてません。
発振の原理、ボード線図の書き方、ごつい伝達関数の計算が大事です。
しかし、今年は発振回路じゃなく、バタワースフィルタに関する問題が出てきました。
参考書は以下のものを使いました。
定本 OPアンプ回路の設計―再現性を重視した設計の基礎から応用まで
- 作者: 岡村廸夫
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 1990/09/01
- メディア: 単行本
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定本はかなり実用的なので要らないかもしれません。「オペアンプ設計の基礎」をメインとして読んでいました。この本を1周すれば、多分過去問を半分以上は解けると思います。
また「電子回路ー基礎からシステムまで」も読みました。これはもともとシス情にいた先生の本です。この本の演習をオペアンプの範囲だけやりました。対策としては多分とても良いとは思いますが、この本自体廃版になってしまったらしく、大学の図書館や古本屋を探してください。めっちゃ重要そうですが、書いてある内容がとても難しくて理解できないので、別に無くても大丈夫だと思います。
以下はつまみ食いした参考書です。
2-3.制御工学
制御工学は毎年安定して解ける問題と全然分かんない問題がそれぞれ出てきます。
安定して解ける問題をなるべく落とさないように勉強しましょう。
よく出る内容としては、安定判別(ラウス・フルビッツとナイキスト)、ボード線図、ナイキスト線図、極配置、可制御・可観測、オブザーバあたりだと思います。
参考書は王道の「はじめての制御工学」「はじめての現代制御理論」「わかりやすい現代制御理論」「演習で学ぶ基礎制御工学」「演習で学ぶ現代制御理論」の5冊を中心に勉強しました。
「はじめての~」の2冊が王道だと思いますが、この2冊だけじゃ多分足りないと思います。上記の本5冊をしっかり押さえれば大抵の問題は解けると思います。
上記の本に載ってない部分を以下の本で補強しました。
本番では、これらの本にも載っていないような問題が出てきて全然解けませんでしたが、大丈夫でした。
2-4.コンピュータシステム
コンピュータシステムは毎年ハードウェア寄りの安定した問題が出てました。(今年を除いて…)
出る内容は、有限状態機械、伝搬遅延とかから最大動作速度や許容できるクロックスキューの計算、キャッシュや仮想記憶のメモリシステムが過去問では出題されていました。パイプラインについての出題が見つかりませんでしたが、出ても全然おかしくないと思うので対策したほうが良いと思います。
勉強は「ディジタル回路設計とコンピュータアーキテクチャ」を軸にして勉強しました。この本は超おすすめです。第一印象はきっと「読みづらそう」「難しそう」みたいな感じなんですけど、超分かりやすいです。それに意味わからないアメリカンジョークがあったり、問題文もキャラクター(アリッサとベン)が出てきたりと安らぎがちょこちょこあります。
結構な量の演習問題がありますが、出そうな章だけ、できる範囲で解きました。(各章半分ちょっとくらい)答えが無いですけど、自力で頑張りましょう。
分かりやすくて良いんですけど、情報量はパタヘネ(後述)に負けてしまいます。
- 作者: Sarah L. Harris,David Money Harris,天野英晴,中條拓伯,鈴木貢,永松礼夫
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2017/09/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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順序回路とパイプラインあたりは以下の本で補強しました。
コンピュータアーキテクチャ (電子情報通信レクチャーシリーズ)
- 作者: 坂井修一,電子情報通信学会,電子通信学会=
- 出版社/メーカー: コロナ社
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 単行本
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コンピュータシステムと言ったらパタヘネだと思います。僕も読みましたが、すごい分かりづらく、読むのが大変です。しかし、これを仕上げればハードウェアは敵無しだと思います。多分やるべき参考書はこれだと思います。
なぜか今年だけOSに関連した問題が出てきてしまいました。全然分からなかったんですが、OSに関する本もやった方が良いと思います。以下の本は半分くらいしか読んでませんが分かりやすかったです。ですが、これで解けるのかは分かりません...
基礎オペレーティングシステム―その概念と仕組み (グラフィック情報工学ライブラリ)
- 作者: 毛利公一
- 出版社/メーカー: 数理工学社
- 発売日: 2016/08
- メディア: 単行本
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オペレーティングシステムの基礎 ネットワークと融合する現代OS
- 作者: 吉澤康文,電子情報通信学会
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2015/11/14
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他専攻でもコンピュータシステムは出題されているので、他専攻の試験もやってみると良いと思います。
2-5.力学
力学に関しては、結局試験まで過去問がほとんど分かりませんでした…
なので、あまり参考にしない方が良いと思いますが一応やった勉強について書こうと思います。
以下の3冊をメインにして勉強していました。
- 作者: 今井功,高見穎郎,高木隆司,吉沢徴,下村裕
- 出版社/メーカー: サイエンス社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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あとYouTubeの「予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」」というチャンネルが物理について分かりやすく説明してくれているのでおすすめです。
3.まとめ
すごい難しい問題ばっか出る年もありますが、基本的な問題を落とさないようにすることが一番大事だと思います